Web APIの問題点、今後について
※ この記事はMOONGIFTレポートにて2008年10月に記述した内容を多少修正したものです
今回はWeb APIの抱える問題点や今後のあるべき姿について書いておこうと思います。
私自身は2008年3月までWeb API、MashupのポータルサイトであるMashupediaを運営してきました。その辺りの事情から言うと、日本においてWeb APIのあり方はなんともし難い状態になっていると言えます。理由は幾つかあるのですが、
1. ビジネスモデルがない
2. 基になるWebサービスありきである
3. 基になるWebサービスが魅力的でない
に集約されると考えています。詳細は以下にて。
1.についてはWeb APIの公開がパブリッシング目的であったり時流に乗ったケースで見られます。そのため、初期のパブリッシングが達成されてしまうと、その価値が低減し、追加開発も行われなくなります。また、Web APIだけで売上を立てることができていないため、追加開発を行うことはコスト増にしかならず、手をかけることができなくなります。ビジネスモデルありきで成功しているケースとしては、Amazon Webサービスがあります。
2.はWebサービスのデータを公開する形のWeb APIです。この場合の特徴としては、データの公開インタフェースにWeb APIを利用するのみで、データのポスト(追加、更新)インタフェースは提供されないことが多いです。これではWebサービス側の機能に比べて貧弱で、面白みも少なくなります。データを公開する=Web APIではありません。データを公開、操作できる点がWeb APIの面白さです。
3.のケースも多いのですが、元々の利用者が少ない中でのWeb API化は面白みがありません。基になるWebサービスが魅力的だからこそ、Web APIもまた魅力的になります。これはAmazon、GoogleなどWeb APIを戦略的に利用している企業のサービスを見れば明らかかと思います。
打開策としては、まずWeb APIだけでビジネスモデルを構築する。これは乗り換え案内や、地図、ストレージサービスなどオリジナルコンテンツや技術をもった企業のサービスであれば十分に考えられます。そして、はじめは無料で、次にトラフィックに応じた形で課金するビジネスモデルを模索するのが良いと思います。トラフィックが増えるということは、Mashup側で売上が発生している可能性があり(Google Adsenseであっても)、その中の一部を利用料として徴収する形です。後は基になるWebサービスを魅力的にする、ユーザ数を増やす…などの努力になります。
Web APIを活用するという流れはいまいち本格的になっていません。かつての状況に比べるとずいぶん熱が冷めてきた感があります。その中で無理矢理盛り上げるのは難しい所ではあります。ビジネスモデルの確立したWeb APIが幾つか登場してくれば、企業主導で業界が盛り上がっていくのではないでしょうか。
